緊急時マニュアル。大手サイトは役に立たない。周辺のサイト,特化した情報を持っているサイトにあたれ。メール,IM,IRC,ニュースグループの情報は生きている。
米国同時テロの際,大手ニュースサイトに接続できないなどウェブは役に立たなかったという批判がきかれるが,使いようによっては非常に役に立った。各種コミュニティーサイト,ディスカッション・グループ,メーリングリストには,攻撃に関する情報があふれた。個人が運営しているスクリプティング・ニュースは,特に際立っていた。同サイトの制作者は云う。「この新しいコミュニケーション・メディアには力がある。ウェブは,死んだどころか始まったばかりだ」。
だいたい誰でも考えることは一緒だったりして,主要ニュースサイトはどこもアクセス集中でリクエストに答えられずにいた。日本のメディアでも,CNN.co.jpやアサヒ・コムはレスポンスがとことん悪かった。つまり,緊急時,主要ニュースサイトは役に立たないことが多い(回線の増強はいつも後回しにしか行われない)。2chも同様。2chは十分に大手サイトであるが,その名前に値するだけの運営は期待できない(現時点では)。もし緊急時に情報を求めるのなら,たとえば場所が特定されているのであれば,その場所のコンテンツに特化しているサイト,その場所に住んでいる人のサイト,その場所とつながりのあるものを扱うサイト,などをあたる。また,その場所の名前から連想されるニュースグループ,メーリングリスト,BBSなどもあたれるし,きっとなんらかの情報があるだろう。ウェブ,そしてネットワークの力は一元化されていなく,膨大なソースが期待できるところにある。今回の事件はそれを教えてくれている。
私は今回の事件で特に情報を求めていたわけぢゃないが,参加しているメーリングリストでは,その話も流れた。怒りをぶつける人,遠くから見えた光景を伝える人,そのメーリングリストのメインの話で気を紛らわせようとしている人,などなど。そういえば,そのメーリングリストで知りあって,DMで何度かメールのやり取りをした人がニューヨークで働いているというのを思い出して,簡単にメールを出してみた。翌日返信があって,ワールド・トレード・センターからはかなり離れたところにオフィスがあるので直接は影響はなかったが,なんとか急いで家に戻ってから会社は機能していないので出社していない,とにかく,みんな陰鬱な気持ちなのは確かだ,というような内容だった。インターネットが,1カ所のハードウェアが壊されても大丈夫なように作られていることは誰でも知っているが,こうして個々の繋がりが実感できると,ちょっとだけほっとする。(過去記事)
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